犬のアレルギー性皮膚炎

2025年12月10日

(※画像:初診時)

犬のアレルギー性皮膚炎 4歳の柴犬です。

11月に入ってから皮膚の痒みと脱毛が目立ってきたと来院されました。
股や後ろ足に脱毛と発疹が目立ち皮膚がベトベトしていました。

皮膚がベトベトする時は、細菌やマラセチア菌の感染や脂漏症を考えなくてはいけません。
飼い主さまに説明して検査をさせていただいたところ細菌感染が疑われました。
ただ、状況的に細菌感染だけが原因とは思えません。普段の予防歴からノミやダニの寄生虫は可能性は低いと判断しアレルギーの痒み止め(ステロイドではありません)と抗生物質を処方しました。

(※画像:再診時)

そして8日後の再診では痒みはほとんどなくなり、発疹もベトベトも良くなっていました。
抗生物質は終了してあとは痒み止めの薬を徐々に減らしてやめていく事になります。

 

当院では今回のワンちゃんのように皮膚科の診察ではできる限り可能性の高そうな順番で皮膚科の検査を推奨しています。
なぜなら、外観上細菌感染が原因になる膿皮症かと思っても実は皮膚真菌感染だった、アトピー性皮膚炎の悪化かと思いきやニキビダニ症だったなど、調べないと原因を見つけられないケースもあります。

 

でも……皮膚科のセカンドオピニオンで来院される飼い主様によく話を聞くと、『検査はせずに見た目で〜だからと薬をもらったがよくならない』と話をされる飼い主様が多いと感じます。
アトピー性皮膚炎で2次感染が起きた際の処置や、細菌が原因となる膿皮症での処置などなかなか改善が見られない場合は、治療内容の見直しを行っていかなければなりません。

もちろん私もなかなか治療がうまくいかず色々試行錯誤してやっと落ち着くケースもあります。
当院がどんな皮膚病でも早くスッキリ治す病院なんて言えませんが、治すために、少しでも早くよくなってくれるように最善の方法を探す努力は惜しまないつもりで診療にあたっています。

 

なかなかスッキリしない皮膚病でも少し違う方法を試すだけで改善に向かってくれることもあります。

 

かゆみが治まらない、なかなか良くならないなど、皮膚の病気で悩んでる飼い主さまがおられましたらセカンドオピニオンだけでも構いません。お気軽にご相談ください。