犬の胆のう粘液嚢腫

2025年05月28日

この子は8歳のトイプードルです。

血液検査で肝酵素【ALP】が少し高く、腹部エコー検査で胆のうに白い塊のようなものが見えます。

これが【粘液嚢腫】と言われるものでゼラチンの塊のようなものが胆のうの中にできてしまいます。

通常、胆のうの中はエコー検査では真っ黒に映ります。

初期の段階では【胆泥症】というよく似た病気と区別しにくいことがありますが、今回は流動性がないので初期の胆のう粘液嚢腫と判断しました。

 

原因は様々で、食生活を含めた快活環境・体質・基礎疾患・併発疾患など様々です。

基礎疾患や併発疾患があればその病気に対する治療をすることで胆のう内がキレイになったという報告もあります。ただ、そういった例は少なく内科治療や食事療法を行いながら病気と付き合っていくケースが多いです。

 

胆のう粘液嚢腫があっても症状がないこともありますが、悪化したり2次的にトラブルを起こすと【胆のう炎】【胆管炎】【胆管閉塞】などが起こり、酷い場合は緊急手術が必要になることがあります。悪化することは決して珍しい事ではなく、この2~3年でも緊急手術や追加の内科治療が必要になったケースが何例かいますので油断はできません。症状がなくても食事管理やサプリメント、必要時にはお薬を飲ませながら定期的に診察を受けていただいた方が良い病気です。

 

やはり、症状のない時でも定期的に健診などをして隠れた病気がないか調べる事が大切かと思います。

是非、年に1回はペットドックを受けて健康維持に役立ててください。