犬の気管虚脱

2025年05月28日

 

この子は、11歳5ヵ月オスのチワワです。

気管虚脱に関連する症状は認められません。レントゲン検査で期間が一部細くなる【気管虚脱】が認められました。

 

矢印が付いている黒い帯状のラインが気管です。青い矢印が正常部位、赤い矢印が異常部位です。赤い矢印の部分が青い矢印の部分より細くなっています。

気管虚脱は、年齢・肥満・気管の慢性的な刺激などにより気管の一部が細くなってしまう病気です。

初期の段階では症状はないことも多いですが、進行してくると【咳】などの症状が出てきます。また、進行すると【咳の悪化】【呼吸不全】などにより緊急手術が必要になる場合もあります。特に夏場や肥満傾向のワンちゃんは注意が必要です。

 

治療はほとんどの場合内科治療により症状の緩和を目指します。重度になり咳が酷い場合や呼吸不全が起こるような場合は手術も検討されます。

また、肥満の場合はダイエットも効果的で、痩せただけで症状がよくなるケースも経験があります。他には、首輪をハーネスに変えたり、散歩のときに強く引っ張らないようにしたり、乾燥する季節は加湿したり、最近ではアンチノールプラスというサプリメントが症状の緩和に役立つとの報告もあります。

早期に対策したり治療を開始すればひどくなるリスクを下げる事ができます。

 

こういった病気の早期発見・早期治療のためにも定期的なペットドッグや検診を推奨しています。

ぜひお気軽にご相談下さい。