犬の外耳炎

2025年05月28日

 

痒そうですね。表情にも活気がないように見えます。

 

このワンちゃんは9歳の柴犬です。何年も前から全身の痒みに悩まされていて、夜中も何度も痒みで起きていた状態でした。

当院にはセカンドオピニオンで来院されましたが、今までステロイドという薬で治療していました。良くなったり、悪くなったりを繰り返していたそうです。

 

このワンちゃんは顔と耳に症状が強く出ていました。特に耳の症状が強く痛がってなかなか触らせてもらえない状態でした。

細菌感染や寄生虫の検査を行い、何らかのアレルギーに皮膚炎に重度の細菌感染が併発していると判断しました。

 

通常、外耳炎が認められる場合には耳にお薬を入れるのですが強い痛みで耳を触れない状態でした。当院でも痛みと腫れを抑えるための【ステロイド】・細菌感染を抑えるために【抗生物質】・かゆみを抑えるために【痒み止め】・念のために寄生虫対策として【駆虫薬】を処方しました。

 

1週間後には痒みと痛みがだいぶマシになったようでしたので、両耳への点耳薬での治療を開始して、ステロイドの内服はやめました。

 

※2ヶ月後の写真

 

かなり良くなってくれました。痒みも治まり夜も落ち着いて寝れているそうです。もちろん皮膚症状も落ち着いたのですが、なんとなく表情が明るくなってくれていますね!

強い痒みをともなう皮膚病の治療がうまくいくと、元気になったり表情が変わったとおっしゃる飼い主様がおられます。痒みや痛みはやはりそれだけ生活の質を落としてしまいます。

 

もちろんこのワンちゃんもこれで完治ではありません。薬の量を調節したり、再発する場合は食事療法をためしたりといろいろと試行錯誤が必要になる可能性があります。

 

痒みが続くことは本当にストレスですし、それに続いて生活の質も落ちてしまいます。

もちろん私もすべての皮膚病のペットたちを治せますとは言えませんが、少しでも落ち着くように試行錯誤して努力していきます。

季節の変わり目は皮膚病が悪化しやすい時期です。また、今までなかなかうまくコントロールできなかった皮膚病でも少し視点を変えるだけでいい方向に向いてくれることもあります。

お困りの際はどうぞお気軽にご相談くださいね。