猫の便秘

2025年05月27日

写真の猫ちゃんは約1年前から便が出にくくなって受診されました。矢印がすべて便の塊で大きなものは直径3.5㎝ぐらいあります。

猫の肛門から直径3.5㎝の便が簡単に出てくるのは不可能に近いです。触診でも便が石のように固くカチカチでした。

 

便秘の原因は様々で、年齢による腸の運動機能の低下・毛玉の影響・腎臓や甲状腺の病気・腰痛・腸の腫瘍や炎症性疾患などがあります。便秘と言っても根本に怖い病気が隠れていることもあります。

 

このネコちゃんは体重も減って食欲も落ちていたので基礎疾患が隠れている可能性があったため血液検査や甲状腺の検査をしましたが異常ありませんでした。腰痛の可能性も低そうです。

 

年齢にからくる腸の運動機能の低下が原因と考え、便秘用の食事に変更・便を軟らかくするお薬・便を出しやすくするための浣腸を行ったところ、1週間後の再診の時点で少し便が出るようになり、触診でもカチカチだった便が軟らかくなってきていました。

今後も治療は必要ですが一番最悪なパターンは回避できそうです。

 

便秘は人であればそんなに大変な病気のイメージがないイメージを持つかもしれませんが、基礎疾患があったり、重度の便秘の場合は食事がとれなくなり衰弱することもありますので注意が必要です。

 

残念ながらひどくなればひどくなるほど治療の反応が悪くコントロールが難しくなります。

昔に比べて、【便が固くなった】【ウンチしている時間が長くなった】【ウンチが出にくい】【ウンチの切れが悪い】など異常を感じたらお早めにご相談ください。