猫の歯周病

2025年05月27日

このネコちゃんは約1ヶ月前から、よだれ・食欲低下・体重減少・舌が出ているとの主訴で来院されました。

写真ではわかりにくいかもしれませんが重度の歯肉炎が認められます。口臭もひどく出血もあり痛みもかなり強い状態でした。

痛みによりまともに口の中の状態を診れない状況でしたので、まずは抗生物質と痛み止めを処方しました。

 

1週間後の診察の時には痛みもかなり軽くなり食欲も回復し、口臭や出血などの症状も改善していました。痛みが取れたためか以前より元気になったとの事でした。痛みが軽くなり口の中の診察ができるようになったので観察してみると‥‥見えている歯だけではなく奥歯の方もすべて歯周病が酷く、何本もグラグラして抜けそうな状態でした。

このネコちゃんはあまりにも状態が悪く、お薬で症状は改善したものの一時しのぎでしかないため、後日全身麻酔をかけて奥歯を抜く事となりました。ただ、歯を抜いたからと言って完治するとは限りません。

奥歯を全部抜いても約3割ぐらいはその後も症状が残り、継続して治療が必要になることがあります。

 

ネコだけに限らず犬も含めて歯周病が酷くなると、口の症状だけにとどまらず全身に悪影響が出る事も珍しくありません。

 

歯周病が軽度であれば、歯磨きなどのデンタルケア、サプリメント内科的治療による管理で充分対応できますが、一度ひどくなってしまうといくら内科的に管理しても元に戻りません。やはり大切なのは日ごろからの歯周病対策です。

歯磨き・サプリメント・歯周病の進行を遅らせるお薬など様々な対策があります。まだ症状があまりないうちに対策を始める事が大切です。

【口臭がするようになった】【歯茎が赤くなってる】【顔周りを触られるのを嫌がるようになった】【毛づくろいしなくなった】【何となく元気がない】【フードが食べにくそう】【鼻血】など症状は多岐にわたります。

 

※左が無麻酔歯科処置前、右が歯科処置後

 

なにか普段と違う違和感を感じたら早めに受診してあげてくださいね。

まずはお気軽にご相談ください。