犬の膿皮症①

2025年05月27日

膿皮症ってご存知ですか?

膿皮症とはワンちゃんに比較的多い皮膚病で普段から皮膚に存在する細菌がトラブルを起こし発疹が出来ます。

どこか他から細菌がうつって悪さをするわけではなく、あくまでも日常的に皮膚に存在する常在菌が悪さをします。

酷い時は体中にできたり強い痒みをともない皮膚がボロボロになることもあります。

春から秋にかけて多くなり比較的よく見かける皮膚病です。

 

治療は細菌のトラブルなので抗生物質を使うのですが、もうひとつ大事なのが薬用シャンプーでの治療です。

薬用シャンプーがそんなに大事なの?と思う飼い主様もいらっしゃるかと思いますが、実は結構大事です。

 

膿皮症は症例数も多いのですが、たまになかなか治らない時があります。

そのような時に飼い主様から詳しく話を聞くと、薬用シャンプーの頻度が少なかったり、使用方法が間違っていたりすることがあります。

そういった場合は適切な使用方法にしていただく事で治るケースも多々あります。もちろん、それでも治らない場合は違う原因を探していく事になります。(見た目が膿皮症によく似ていても、実は精密検査をしないとわからない病気も中にはあります。)

 

こちらが2週間治療後の写真です。

1ヶ所わずかに病変が残っていますがこのワンちゃんは追加で1週間治療して治りました。

夏頃から慢性経過をたどっていたため脱毛がありますが、この後再発しなければ徐々に毛が生えてくると思います。

 

抗生物質を3週間も使って大丈夫?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、膿皮症はもう薬はいいかな?と思ってから追加で1週間程度治療することが必要になります。早めに止めてしまうとぶり返すことも珍しくありません。酷い場合は2ヶ月程度治療が必要になることもあります。

 

冬は膿皮症が減ってきますが、乾燥により皮膚のバリア機能がトラブルを起こして膿皮症になってしまうこともあります。

痒がっていたり、皮膚にプツプツと湿疹がみられたらお早めにご相談くださいね。