犬の歯周病と歯石除去

2025年05月26日

処置の写真です。ほとんどの歯に歯石がついています。上の犬歯と後臼歯は歯肉炎が認められますびっくり

この写真でまともな歯は前歯数本だけです。

歯周病の症状って、『口が臭い』・『歯が汚い』ぐらいと思われがちですが実はもっといろいろと怖い症状もあります。

 

例えば、

『目の下に穴が開いて膿が出てくる』

・・すごく痛いです。。

 

『鼻炎や鼻出血の原因になる』

・・原因になっている歯を抜かないと繰り返します。

 

『顔面が腫れる』

・・もちろん痛いですし本人も辛いです。

 

『歯周病菌による感染症につながる』

・・全身状態が悪くなることもあり抗生物質などによる治療が必要になります。

 

『アゴの骨が折れる』

・・歯周病菌の感染によりアゴの骨が弱くなり骨折することがあります。

 

もちろんこれらの症状は当院ですべて診たことがあります。アゴの折れた子(高齢のヨークシャテリア)は特に印象に残っていて、口が閉じなくなったと来院されました。触診でも明らかに下あごがぐらぐらしていてレントゲンを撮るともちろん折れていました。

それに、眼の下が腫れて膿が出てくるようなタイプは年に数例見かけます。決して珍しい事ではありません。

 

もちろん毎日~1日おきぐらいでしっかりと歯磨きが出来ればこのような事は起きにくいですが実際歯磨きとなると難しいですよね。

 

次の写真は処置後の写真です。

ほぼすべての歯石を除去することができました。除去したあとに歯ブラシとクリーナーで磨きました。

 

あまりにもひどくなってしまうと全身麻酔をかけたうえでの処置が必要になりますが、そこまでひどい状況ではなく、口周りを触れせてくれて我慢ができる動物の場合は全身麻酔をしなくてもここまでキレイに処置をすることができます。

 

写真はイヌですがもちろんネコでも可能です。

 

歯石は気になるけど全身麻酔は不安という飼い主様は是非一度ご相談ください。

もちろん歯周病のチェックだけでも構いません。