猫の皮膚糸状菌症

2025年05月26日

皮膚糸状菌ってご存知ですか?

簡単に言えば『真菌(カビ)』です。真菌にもいろいろな種類がありますが動物の皮膚で問題になるのはほとんど『糸状菌』という真菌です。

 

真菌はいつ?どこで?感染したのかわからないことが多いです。他の猫や動物にもすぐ感染しますし、人にも感染して皮膚科に行かなければいけなくなることも珍しくありません。

 

私たちが見かけるケースはイヌよりもネコの方が圧倒的に多いです。

・外で保護したら徐々に毛が抜けてきた…

・飼育し始めたら徐々に毛が抜けてきた…

・外ネコの世話をしていたら自宅の猫や犬の毛が抜けてきた…

というパターンが多いです。

始めに手足に病変が見つかることが多く、どこに存在してどこで感染するかわからないのでやっかいな病気です。

 

患部の毛を抜いて顕微鏡で見るとこんな真菌に感染した毛が見つかります。

治療は年齢や生活環境によってアレンジしますが、基本は消毒(患部と自宅)・抗真菌薬・シャンプー療法です。

患部の状態にもよりますが治るまでには数か月かかることが多いです。それまではゲージでの隔離生活を強いられたりすると、治療が大変になります。

 

当院では真菌の動物の診察の際は他の動物への感染を防ぐため車や外でお待ち頂いたり、診察後は診察室の消毒をいつも以上に徹底して行い、白衣を着替えてすぐに消毒・洗濯するようにしています。

また、外ネコを保護した場合は他の感染する病気の事も考え2週間はゲージで飼育して接触は最低限にしていただくように推奨しています。

真菌は飼育し始めに見つかることが多いので皮膚に脱毛などの異常を感じた場合はお早めにご相談ください。