マダニによる感染症

2025年05月26日

※吸血前のマダニ

 

※吸血後のマダニ

 

先日、後ろ足にできものを見つけたと来院されました。

ワンちゃんの後ろ足にはできものではなくなんとマダニが‥‥。

マダニは貧血の病気やウイルス疾患を媒介する恐ろしい寄生虫です。マダニにかまれて人が亡くなったとたまにニュースになっていますが、その一部がSFTS(重症熱性血小板減少症候群)と言われるウイルス疾患です。最近では診療にあたる獣医師も亡くなるという悲しいニュースもありました。

人や犬では致死率が約10~30%と高いですが、猫ではなんと約60%とかなり致死率の高い病気です。

また、バベシア症は赤血球を壊す寄生虫が感染してしまい重度の場合は輸血が必要になるぐらい重度の貧血になってしまうこともあります。治療方法はありますが、副作用の心配があったり、即効性がなかったりと簡単ではありません。一部の症例では再発の報告もあり、完治できない場合もあります。

 

とにかく厄介な怖い寄生虫です。

 

予防方法は、犬と猫で変わります。

犬は月1回お薬を飲ませること、外に出る猫は月1回お薬をつけることで予防駆除が出来ます。(ネコちゃん自身が外に行かなくてもワンちゃんと同居してる場合は予防してあげて下さい。)

ここで大切なのが季節関係なく1年間通して予防する事です。

マダニが一番多い季節は秋と言われていますが、多い少ないはあってもマダニが出ない季節はありません。

実際2月や3月でもマダニが付いてると来院される飼い主さんがいらっしゃいます。

 

マダニのお薬は病院よりも安い市販薬も販売されていますが、製品によっては効果に不安があるものも中には販売されているようです。

(全く効果が無いというわけではありませんが、一部のデータによると病院で処方する薬と比べると効果が充分とはいえないとのことです。)

 

当院周辺は自然が多くマダニ寄生も珍しくありません。

年間通してしっかり予防してあげて下さいね。