脾臓の骨髄脂肪腫

2025年05月28日

この子は6歳のワンちゃんです。

皮膚の観察をしたところ前肢に5㎜ぐらいの少し赤みを帯びた腫瘤がみつかりました。飼い主さまも2週間ほど前に気づいていたそうです。

見た目だけではこの腫瘤がなにか判断することは出来ません。

可能性としては【炎症による腫れ】【良性腫瘍】【悪性腫瘍】などが考えられます。

飼い主様と相談した結果、ニードルバイオプシー(針を刺して細胞を採取する検査)を行い細胞検査をすることとなりました。

 

結果は…【皮膚組織球腫】という皮膚の良性腫瘍との結果でした。良性腫瘍なのでとりあえずは一安心です。

この皮膚組織球腫という腫瘍は基本的に良性でほとんどの場合、数ヶ月で自然退縮(自然に消失)します。良性とはいえ自然に消えるって不思議ですよね。

このワンちゃんなにも治療せずに1ヶ月ほどでほとんどわからなくなっていました。おそらくこのまま退縮して消えるはずです。

 

今回は良性腫瘍でしたがもちろん皮膚がんが見つかることもあります。

最近では、1年以上前から大きくなっていない2㎝ほどの皮膚腫瘤を念のために検査したら…【肥満細胞腫】という皮膚がんが見つかったケースがあります。

《がん=進行して大きくなるのが早い》というイメージがあると思いますが、がんの種類や悪性度によってはゆっくりとしか進行しないものもたまにあります。

 

体のどこかに見覚えのないしこりを見つけた際は小さくても早めに受診してあげて下さいね。