犬の脾臓のう胞

2025年05月28日

この子は10歳のワンちゃんです。もちろん症状は何もありません。腹部エコー検査で脾臓に5㎜ほどののう胞(赤矢印)が見つかりました。

のう胞とは何かというと、液体がたまった袋状のものです。今回は発熱や白血球の上昇などの細菌感染を疑う所見がなく、脾臓に見つかりましたので血液がたまっている可能性を考えています。

通常、脾臓はエコーの見え方が均一な組織なのでこのような膿胞が見つかる事はありません。

 

以前投稿しました脾臓の腫瘍とは大きさも見え方も違います。以前の投稿のような見え方の場合は腫瘍の能性が高いため早期の手術が推奨されます。

 

このエコー検査からは、【炎症によるのう胞】【一時的な出血による血腫】【血管肉腫などの腫瘍性病変】などを考えなければいけません。

今回は大きさも5ミリ程度と小さくこの見え方なので1ヶ月後の再検査としました。

今後大きくなる場合は腫瘍性病変の可能性を考えて脾臓摘出手術を検討しなければいけません。

 

今回の病気も腹部エコー検査をしたので見つける事が出来ましたが血液検査だけでは見つけることが困難な病気です。

やはり、症状のない時から定期的にペットドックなどをして隠れた病気がないか調べる事が大切かと思います。

是非、年に1回はペットドックを受けて健康維持に役立ててください。